2019年02月
2019年02月28日
万葉びとの染色文化
堀尾眞紀子さんの講義を聴いた。最終講義に代えての文化学園大学の特別公開講座。すばらしかった。
堀尾さんは染色家でありその研究者だが、美術全般にわたって執筆をされ（その都度贈っていただいた）、ＮＨＫテレビの「日曜美術館」の司会もされるなど幅広く活躍されている。日曜美術館で取り上げた作家のことをまとめた『画家たちの原風景』に出てくる神田日勝の「馬」については、いつだったか鹿追町まで見に行ったこともある。
国内外の女性画家たちについての研究もされたが、フリーダ・カーロを日本に紹介したのも堀尾さんだった。最近では（と言っても２年ほど前までだが）、役職の仕事で私学団体の会合に行くと、やはり学部長をされていてお会いすることも何度かあった。
講義は、「万葉びとの染色文化」。
万葉集には天皇や役人たちのほかに多くの庶民の歌も収められていて、当時の実生活や文化が描かれている。全４５１６首のうち、服装、染色、色彩に関する歌は４３％にあたる１９４８首に上るのだと言う。
繊維素材である楮や三椏の「荒たえ」や麻が登場する歌がある。
それらを「刈る」「干す」「績む」「縒る」「晒す」作成過程。
動物素材である絹については蚕（桑子）、繭、それを「織る」様子が謳われる。
染色素材については、紫、青、赤、黄、茶、黒（高貴とされた順に）の原料となった植物の歌が紹介される。
その頃の自然や、ひとびとの暮らし、労働が浮かび上がるようだった。そして万葉集の世界が色鮮やかによみがえる。歌の多くは恋を歌ったものが多いのだが、堀尾さんの人間味あふれる解釈ももうひとつの趣だった。
これらの仕事は今の日本でも引き継がれている。堀尾さんは、各地の職人を訪ねた話もされた。
ぼくはまず、小さかったころのことを思い出した。本家や母の実家ではまだ養蚕をしていた。桑の葉を摘み、蚕に与え、繭を掻き、茹で、蛹は煮た（食べた）、その手伝いをしたことどもを。ばーやん（祖母）は、糸を紡ぎ、真綿を伸ばし、機織りの機械で杼を投げ、受けながら、パタンパタンと足を踏んでいた。
そして、沖縄で、学生たちと芭蕉布の平良敏子さんや、八重山丈上布の新垣幸子さんを、ぼくの場合は沖縄の文化や地域づくりという観点からだったが、訪ねたこと。そのうちのひとりのハナちゃんは、今もシルクラブ（絹の愛？ 絹倶楽部？）で各地の職人さんを訪ね展示会などをしている。
卒業生の小岩井さんは上田紬の伝統を継いで、染色から始めて、ただひとり手織りで続けている。
masao55ota1 at 16:33｜Permalink│Comments(0)│
サウダーデ 孤愁
フランスにはシャンソン、スペインにはフラメンコ、イタリアにはカンツォーネがあるが、ポルトガルはファドである。コインブラからリスボンに向かう途中のバスで、ガイドさんはアマリア・ロドリゲスの歌を聴かせてくれて、ファドで表現されているのは「サウダーデ」というものだと教えてくれた。「哀愁」とでもいうのだろうか。
リスボンでのファドのディナーでは３人の歌手の歌やポルトガルギターの演奏を聴いた。大御所らしいイザベル・ピンヘイロさん（ローマ字読み）のＣＤも買ってきてときどき聴いている。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
『国家と教養』の藤原正彦さんに、「サウダーデ」という言葉の入った著書があることを知った。
「もうひとりの小泉八雲」と呼ばれたポルトガル人、モラエスの日本での後半生を描いたものである。明治期に来日し昭和初期に亡くなるまで日本で暮らし、日本を深く愛し、『日本精神』、『おヨネとコハル』、『徳島の盆踊り』などの評論や文学を書いた作家である。
最初はマカオの軍人として来日するが、神戸で領事など外交官として活躍する傍ら、これらの文章をポルトガルに送り、日本人と日本の文化を紹介した。職を辞した後も帰国せず、結婚したが早逝したヨネの故郷の徳島で住み続けた。
小説では、「サウダーデ」とは「愛する者の不在により引き起こされる胸の疼くような思いや懐かしさ」とされる。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
新田次郎さん（本名は「藤原」）は、この小説を新聞連載中の１８８０年、亡くなった。息子の藤原正彦さんは、自分が父親の死んだ年になって書き始め，死後３２年経って完成させた。
１５００枚の大著だが、前半６割が父親、後半４割が藤原さんということだが、ほとんど違和感なく読むことができる。そのことに驚く。
リスボンでのファドのディナーでは３人の歌手の歌やポルトガルギターの演奏を聴いた。大御所らしいイザベル・ピンヘイロさん（ローマ字読み）のＣＤも買ってきてときどき聴いている。＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
『国家と教養』の藤原正彦さんに、「サウダーデ」という言葉の入った著書があることを知った。
「もうひとりの小泉八雲」と呼ばれたポルトガル人、モラエスの日本での後半生を描いたものである。明治期に来日し昭和初期に亡くなるまで日本で暮らし、日本を深く愛し、『日本精神』、『おヨネとコハル』、『徳島の盆踊り』などの評論や文学を書いた作家である。最初はマカオの軍人として来日するが、神戸で領事など外交官として活躍する傍ら、これらの文章をポルトガルに送り、日本人と日本の文化を紹介した。職を辞した後も帰国せず、結婚したが早逝したヨネの故郷の徳島で住み続けた。
小説では、「サウダーデ」とは「愛する者の不在により引き起こされる胸の疼くような思いや懐かしさ」とされる。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
新田次郎さん（本名は「藤原」）は、この小説を新聞連載中の１８８０年、亡くなった。息子の藤原正彦さんは、自分が父親の死んだ年になって書き始め，死後３２年経って完成させた。
１５００枚の大著だが、前半６割が父親、後半４割が藤原さんということだが、ほとんど違和感なく読むことができる。そのことに驚く。
masao55ota1 at 09:04｜Permalink│Comments(1)│
かぶら屋
腰は痛むが、約束の用事があったのでよろよろと出かけた。
午後は、民主教育研究所の研究会。（朝から準備した。）ところが年度末で忙しいのか欠席が多く、それでも残った４人で熱心に討論した。
夜は、三芳町の竹間沢公民館で、劇団銅鑼の「Endless挑戦」の上演実行委員会。産廃処理の企業を描いたものだが、持続可能な世界を実現させる大きな課題を取り上げる。産廃業の多いこの地域（所沢、三芳）だが、ダイオキシンなどさまざまな事件もあったので、それぞれもやもやしたものを抱えており、そんな思いから出発した。
終わってから近くのかぶら屋さんへ。和食酒菜のお店。評判がいいからか店は満杯。
カメさんと飲むのは何年ぶりだろうか。１０年くらい前の望月の新酒発表会以来か。劇団のＴさんや他のみなさんとは初めて。
午後は、民主教育研究所の研究会。（朝から準備した。）ところが年度末で忙しいのか欠席が多く、それでも残った４人で熱心に討論した。
夜は、三芳町の竹間沢公民館で、劇団銅鑼の「Endless挑戦」の上演実行委員会。産廃処理の企業を描いたものだが、持続可能な世界を実現させる大きな課題を取り上げる。産廃業の多いこの地域（所沢、三芳）だが、ダイオキシンなどさまざまな事件もあったので、それぞれもやもやしたものを抱えており、そんな思いから出発した。
終わってから近くのかぶら屋さんへ。和食酒菜のお店。評判がいいからか店は満杯。カメさんと飲むのは何年ぶりだろうか。１０年くらい前の望月の新酒発表会以来か。劇団のＴさんや他のみなさんとは初めて。
masao55ota1 at 11:35｜Permalink│Comments(0)│
キリマンジェロAA
今月のHibiki Cafe のコーヒーはこれ。アフリカ、タンザニア。キリマンジェロの品質は８段階だが、AAは最高。今回は、ヒロミさんにはめずらしく深煎り。カップは先日ポルトガルで求めた。アズリージョ（絵タイル）の模様。
masao55ota1 at 11:11｜Permalink│Comments(0)│
2019年02月25日
友だち
昨日は一日、座るか寝転ぶかして本を読んでいたら、腰の痛みはずいぶんひいて、この分ならあしたはよくなるのではないかと思っていた。ところが友だちからへびを投げつけられて、よけようと身をよじったら体中に激痛が走り、ギックリ腰が再発してしまった。
「ところが」からあとは、夢の中。再発はほんとう。おかげで目が覚めてしまった。友だちを（誰かは思い出せないのだが）恨む。
「ところが」からあとは、夢の中。再発はほんとう。おかげで目が覚めてしまった。友だちを（誰かは思い出せないのだが）恨む。
masao55ota1 at 05:46｜Permalink│Comments(0)│
いのみでっぽう（鉄砲）
小学校のころ、育った長野の家の裏に「いのみ（実）」がなる大木があった。夏になると、直径５，６ミリの小さな実をたくさん付けた。
その実がなると、「いのみ鉄砲」をつくった。
細い竹の（家には竹の林もあった）、節と節の間を10数センチに切り、これは銃身になる。もうひとつ、割り箸を丸く削って竹の空洞を通るように棒をつくり、柄を付けた。
筒（銃身）に「いの実」を押し込んで、筒の先のほうに詰め、もうひとつの「いの実」を後ろから棒で強く押し込むと、「いの実」が飛んで行った。（紙鉄砲のようなものだ。）
その大木を「いのき」、と呼んでいた。いつのことか覚えていないが、切られてなくなってしまった。父親が切ったのだろう。
こんなことを思い出したのは、今日、小説を読んでいて次のような箇所に出会ったからだ。
モラエスが長崎の公園を歩いていると、エノキがあった。「そのエノキがリスボンの公園でよく見かけるものとそっくりだったので近くによって見上げた。間違いなかった。緑の小さな実がなっていた。秋になると、黒褐色の実になり、口に入れるとほのかな甘みがあった」
そうか、「いのき」は「エノキ」だったのだ。ネットで写真を探すと、小学校以来の「いの実」があった。
ちなみに木の正式名称は「エ」、「榎」はその木陰のことを言うらしい。
この小説は、新田次郎・藤原正彦『孤愁＜サウダーデ>』。ポルトガルのモラエスのことを描いた。新田次郎さんの未完の小説を、息子の藤原さんが補筆して完成させた。大冊なのでまだ終わらない。
ポルトガルは、種子島銃だけでなく、いのみ鉄砲の思い出をもたらしてくれた。
その実がなると、「いのみ鉄砲」をつくった。細い竹の（家には竹の林もあった）、節と節の間を10数センチに切り、これは銃身になる。もうひとつ、割り箸を丸く削って竹の空洞を通るように棒をつくり、柄を付けた。
筒（銃身）に「いの実」を押し込んで、筒の先のほうに詰め、もうひとつの「いの実」を後ろから棒で強く押し込むと、「いの実」が飛んで行った。（紙鉄砲のようなものだ。）
その大木を「いのき」、と呼んでいた。いつのことか覚えていないが、切られてなくなってしまった。父親が切ったのだろう。
こんなことを思い出したのは、今日、小説を読んでいて次のような箇所に出会ったからだ。
モラエスが長崎の公園を歩いていると、エノキがあった。「そのエノキがリスボンの公園でよく見かけるものとそっくりだったので近くによって見上げた。間違いなかった。緑の小さな実がなっていた。秋になると、黒褐色の実になり、口に入れるとほのかな甘みがあった」
そうか、「いのき」は「エノキ」だったのだ。ネットで写真を探すと、小学校以来の「いの実」があった。ちなみに木の正式名称は「エ」、「榎」はその木陰のことを言うらしい。
この小説は、新田次郎・藤原正彦『孤愁＜サウダーデ>』。ポルトガルのモラエスのことを描いた。新田次郎さんの未完の小説を、息子の藤原さんが補筆して完成させた。大冊なのでまだ終わらない。
ポルトガルは、種子島銃だけでなく、いのみ鉄砲の思い出をもたらしてくれた。
masao55ota1 at 05:18｜Permalink│Comments(2)│
2019年02月24日
藤原正彦『国家と教養』
異論や疑問もあるが、面白く、刺激的な本だ。
「教養」を論じるのに、「国家と」をつけたタイトルは、著者の現代認識から来る。
１９９０年代後半からアメリカの世界支配（グローバリズム）が始まるが、「小泉竹中政権」以来日本はそれに唯諾々と従い新自由主義と構造改革が巾を利かせ、弱者が苦しめられている。これは国家としての品格も教養も欠如しているからだ。
「教養」を世界史の大きな流れで説明するのも面白い。
人文的教養の源泉であるギリシア文化は、ローマ帝国の崩壊以降、コンスタンチノープルを首都とするビザンチン帝国やイスラムのアッバース朝などで保存され、１２世紀になって西ヨーロッパに戻って「ルネサンス」（人文主義、人間復興）が起こる。
それによってドイツでは「教養主義」が花開くが、ナチズムの台頭を許してしまう。（教養をエリート主義にし、大衆蔑視に立っていたという点で、フンボルトやマックス・ウェーバー批判がある。ぼくは大学論の立脚点のひとつにフンボルトを置いてきたので、もう一度読んでみようと思った。）
ドイツ教養主義を中心に日本の「大正教養主義」が生まれるが、西洋文化崇拝で政治には無関心のそれは戦争を阻止することはできなかった。
「教養主義」以前の森鴎外、夏目漱石、新渡戸稲造には、中国の漢籍や日本古来の文化の形があった。
「日本古来の形、すなわち武士道精神、儒教精神、惻隠やもののあわれなどの情緒」は今も大衆文化の中に生きている。……
ここらあたりはどうも。
「教養」を論じるのに、「国家と」をつけたタイトルは、著者の現代認識から来る。１９９０年代後半からアメリカの世界支配（グローバリズム）が始まるが、「小泉竹中政権」以来日本はそれに唯諾々と従い新自由主義と構造改革が巾を利かせ、弱者が苦しめられている。これは国家としての品格も教養も欠如しているからだ。
「教養」を世界史の大きな流れで説明するのも面白い。
人文的教養の源泉であるギリシア文化は、ローマ帝国の崩壊以降、コンスタンチノープルを首都とするビザンチン帝国やイスラムのアッバース朝などで保存され、１２世紀になって西ヨーロッパに戻って「ルネサンス」（人文主義、人間復興）が起こる。
それによってドイツでは「教養主義」が花開くが、ナチズムの台頭を許してしまう。（教養をエリート主義にし、大衆蔑視に立っていたという点で、フンボルトやマックス・ウェーバー批判がある。ぼくは大学論の立脚点のひとつにフンボルトを置いてきたので、もう一度読んでみようと思った。）
ドイツ教養主義を中心に日本の「大正教養主義」が生まれるが、西洋文化崇拝で政治には無関心のそれは戦争を阻止することはできなかった。
「教養主義」以前の森鴎外、夏目漱石、新渡戸稲造には、中国の漢籍や日本古来の文化の形があった。
「日本古来の形、すなわち武士道精神、儒教精神、惻隠やもののあわれなどの情緒」は今も大衆文化の中に生きている。……
ここらあたりはどうも。
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2019年02月23日
腰痛と温泉
長野の家の灯油のタンクは大きい。灯油を入れるのには、１８リットルのポリタンクを肩の高さに挙げ、支えていなければならない。何本か入れたらすぐ腰に来た。ギックリ腰だ。
それには温泉治療が一番。
好きな温泉は、よく行く順に、透明の大室温泉、赤い湯の松代温泉、白と緑の湯の五色温泉や七味温泉などだが、前夜は赤い湯にしたので、この日は足を伸ばして湯田中温泉にした。
楓の湯は、長野電鉄・湯田中駅の昔の駅舎（有形文化財）の隣に、駅舎に似せて作られている。
２回目。透明のさっぱりした湯。ゆっくり入った。
駅舎の前のベンチ。
近くの飯山にあるスキーメーカー「Swallow」を使ったもの。「座ろう！」
湯田中温泉と、その上の渋温泉を行く。
渋温泉は、知っている限りで一番温泉街のたたずまいを残している。共同浴場も９つある。
ところでぎっくり腰だが、一晩明けた今日もひどく痛む。
こながる（かがむ）ことができないので、洗面や着替えにも苦労する。
咳やくしゃみも全身に響いてつらい。
クルマをクルーズコントロールにして埼玉に帰ってきた。
それには温泉治療が一番。
好きな温泉は、よく行く順に、透明の大室温泉、赤い湯の松代温泉、白と緑の湯の五色温泉や七味温泉などだが、前夜は赤い湯にしたので、この日は足を伸ばして湯田中温泉にした。
楓の湯は、長野電鉄・湯田中駅の昔の駅舎（有形文化財）の隣に、駅舎に似せて作られている。２回目。透明のさっぱりした湯。ゆっくり入った。
駅舎の前のベンチ。近くの飯山にあるスキーメーカー「Swallow」を使ったもの。「座ろう！」
湯田中温泉と、その上の渋温泉を行く。
渋温泉は、知っている限りで一番温泉街のたたずまいを残している。共同浴場も９つある。
ところでぎっくり腰だが、一晩明けた今日もひどく痛む。
こながる（かがむ）ことができないので、洗面や着替えにも苦労する。
咳やくしゃみも全身に響いてつらい。
クルマをクルーズコントロールにして埼玉に帰ってきた。
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長野の山
長野も日差しは春。
２枚は志賀高原方面、３枚目高社（たかやしろ）山、４枚目志賀から中野方面を望む。遠くの雲の上の頂は左から、飯綱山、戸隠山、黒姫山、妙高山。
２枚は志賀高原方面、３枚目高社（たかやしろ）山、４枚目志賀から中野方面を望む。遠くの雲の上の頂は左から、飯綱山、戸隠山、黒姫山、妙高山。
masao55ota1 at 16:45｜Permalink│Comments(0)│
2019年02月22日
ぼけますからよろしくお願いします
監督の信友直子さんは一人娘だが、東京に住んでいる。両親は広島県呉市で二人で暮らしている。母親は１９８０年代後半にアルツハイマー型認知症になった。一緒に暮らそうかという娘に、父親は、お前は仕事もあるじゃろ、俺がいるからいいけん、と断る。以来、監督はときどき故郷に帰ってカメラで記録するようになる。
父親は、若いころ向学心に燃えていたが戦争のため学校を続けられなかった。その思いを娘に託した。大学に入った時の娘に当てた手紙は自分のことのようだった。大学を出て、故郷に帰らなかったのも一緒。
父親も知的だし、母親も書道の権威ある賞をもらうほど文化的で、人付き合いも社交的な人だ。カメラは次第に老いて変わっていく親の姿を記録し続ける。老いた夫婦の暮らしの中にもユーモアや自然な愛がみられるが、生活の困難さは増していく。
それでも監督は、カメラを回す。
「死ぬる」「死ぬる」と叫ぶ母親。
（そんなら）「死ね」と叱る父親。
「なんでそんなに怒るの？」と父親に迫る母親。
激しいけんかの合間も。
母親が転んでも、怒って物を壊しても。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
昨日から長野に来ている。
雪はないが、寒い。
masao55ota1 at 12:00｜Permalink│Comments(0)│
2019年02月21日
公民館
昨日、「公民館を考えよう会」が市に出した要望書について、行政担当者３人と会のメンバー５人があって懇談した。率直に熱心に、２時間も話し合った。
今日は午前からずっと、３月の第３回学習会のチラシを書いたり、手紙を出したり。こういう事務的な仕事にも慣れてきた。
今日は午前からずっと、３月の第３回学習会のチラシを書いたり、手紙を出したり。こういう事務的な仕事にも慣れてきた。
masao55ota1 at 13:57｜Permalink│Comments(0)│
2019年02月20日
花火鳴らそかひらひら振ろか
劇団銅鑼のお芝居。お盆には亡くなった者たちが家に帰って来る。
奥平家には今年も３人（正確には2人と犬のシロの1匹）の死者、というか幽霊が帰って来る。幽霊が見える人と見えない人がいるが、花火は幽霊が見えるようになる効果を持っている。
奥平家の当主は認知症が進み記憶がまだらで、もともと死者と生者との間を行ったり来たりしているのでますます混線する。
幽霊たちを含めた対話と回想の中で、幽霊たちの助けも借りて、なぜ息子は父親を嫌ったのか、なぜ父親は息子に嫌われるような人生を送ったのか、亡くなった母親はどんな思いだったのか、がわかってくる。
一人ひとりの人間像がもっと浮き出てくればいい芝居になると思った。
死者は生者の記憶の中で生きている。生者が記憶を失えば死者は生きる？ことができない。ぼくは「リメンバー・ミー」を思い出していた。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
そのあと劇団関係者、サトシ君夫婦、Ｉさんや作家の人たちと沖縄料理のみやらびに行った。ぼくとしては久しぶりのみやらびはおいしかった。
masao55ota1 at 08:39｜Permalink│Comments(0)│
2019年02月19日
火工廠物語
年金支給日に飲む会の仲間であるＫ先生は「火工廠」の問題で一生懸命であり、数日前ぼくも本を買わされた。もともとは、そこで働いていた富田竹雄さんが１９９５年に書いた本だが、Ｋさんたちが復刻した。
身近なことなのに知らないことだらけだった。
戦争中、今はふじみ野市になっている旧上福岡市（戦前は福岡村）には、弾丸、爆弾などを製造する陸軍の兵器工場があった。
１９２９（昭和４）年から用地買収などが進められたが、反対する農民たちは莚旗を建てて陸軍省に陳情したりしたのだという。何とそのときに指導したのは、詩人の渋谷定輔さん（当時は、全農埼玉県連書記長）だったようだ。陳情には労農弁護団の布施辰治さんも同行したとある。
１９３６（昭和１１）年から建設が始まったが、完成した工場は約７００棟あり、敷地面積は５５ヘクタール（東京ドーム１２個分）、新河岸川から今の郵便局、市役所、公民館、旧上野台団地、旧図書館までに及ぶ。５０００人が働いていた（敗戦時には８０００人ともいわれる）。
ほかに福岡宿舎が駅の西側一帯につくられたが（当時は牧場があったようだ）、それは今のココネや旧霞ヶ丘団地あたりであろうか。
さらに官舎や営団団地もあったようで、今の上福岡の中心部分のほとんどが火工廠と関連施設だったことになる。
本は、ご自身の記憶だけでなく、資料や本を渉猟し、生存していた関係者たちに丹念に聞き取りをしたことをまとめている。工場内の労働の実態、宿舎の生活、ときに起こった爆発事故や飛行機の墜落事故など貴重な記録である。
ぼくが個人的に興味を持ったのは、技能者養成施設と工場青年学校のこと。ぼくの修士論文は青年学校だったから。（一連の戦前の本は泣く泣く処分したところ。）旧制の川越中学校（今の川越高校）、川越高女（同女子高）、工業学校（工業高校）の勤労動員のことも記されている。
作者は懐旧や過去の賛美で書いたのではない。
「私たち一般の人々もいわば戦争の加害者であり、そしてまた戦争の被害者でもあった」。「この歴史の事実を正しく認識し、平和の尊さをつたえ、未来への展望を考える」ためである。著者の眼は、まだ残る民族蔑視・差別や、再び戦争に向かう現代のうごきへの批判意識に貫かれている。
masao55ota1 at 09:39｜Permalink│Comments(0)│
2019年02月18日
第2回公民館を考えよう会
昨日、第2回の「ふじみ野の公民館を考えよう会」定例会。
前回からのさまざまな経過を確認し、鶴瀬公民館長の富塚さんに「公民館の可能性」という題で話してもらった。富塚さんは、（一定区域の）地域の全体の教育に責任を持つという法の精神に立ち、職員がどういう事業を展開するかということに公民館の使命をみているようだ。
ところで、富塚さんはレジュメの中でぼくのことを師匠と書いていた。面映ゆくてしかたないが、それに甘えて教え子という言葉を使わせてもらうと、教え子の社会教育職員は東上沿線で数人いた。教師みょうりに尽きる。
終わって隣の調理室をのぞくと、わんぱく少年団が食事をつくっていた。
子どもたちは35，6名、大東文化の学生が30名ほど。トム君と話したが、かれはゼミの卒業生の息子である。父親よりも背が高くかっこいいが、仲間たちには父親と同じようにトムと呼ばれていた。
前回からのさまざまな経過を確認し、鶴瀬公民館長の富塚さんに「公民館の可能性」という題で話してもらった。富塚さんは、（一定区域の）地域の全体の教育に責任を持つという法の精神に立ち、職員がどういう事業を展開するかということに公民館の使命をみているようだ。
ところで、富塚さんはレジュメの中でぼくのことを師匠と書いていた。面映ゆくてしかたないが、それに甘えて教え子という言葉を使わせてもらうと、教え子の社会教育職員は東上沿線で数人いた。教師みょうりに尽きる。
終わって隣の調理室をのぞくと、わんぱく少年団が食事をつくっていた。子どもたちは35，6名、大東文化の学生が30名ほど。トム君と話したが、かれはゼミの卒業生の息子である。父親よりも背が高くかっこいいが、仲間たちには父親と同じようにトムと呼ばれていた。
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2019年02月17日
『宝島』
この本はすごい本である。一気に読んだ。『宝島』とは沖縄のことである。
沖縄の歴史は大きく分けて、ウチナーゆ（沖縄世）、ヤマトーゆ（日本世）、アメリカーゆ（世）になる。
ウチナー世は独立国としての尚王朝の時代、ヤマトー世は琉球処分（日本への合併）から戦争までの時代、アメリカー世は戦後のアメリカ信託統治（占領）時代ということである。
小説は、このアメリカー世の時代を描いて「コザ暴動」で終わる。
アメリカー世では、民政府が支配したが、基地周辺ではアメリカの兵士や軍属をあてこんだ飲食や娯楽街が発展しアメリカ文化が花開く一方で、飛行機やヘリコプターの墜落事故、アメリカ人による轢き逃げ事件、殺人や強盗事件、「人狩り」、婦女暴行・殺戮などの基地被害が頻発した。
その代表は最大の基地・嘉手納に隣接したコザである。（占領時代のコザを描いたものには映画「Ａサインデイズ」などがある。）
この小説の舞台もコザである。
１９５０年前後、基地に忍び込んで物資、食料や資材などを盗む、多くの「戦果アギャー」がいた。それ自体が人々の土地を取り上げ貧困に追い込んだ基地の副産物である。
そのなかで「オンちゃん」は死に瀕する赤ん坊や母親に食料を届け、病院には医薬品、小学校には文具や用度品を届けた。小学校も建ててしまうほどの「戦果」を上げる地域の「英雄」だった。
ところが初めて嘉手納基地に侵入したとき（それ自体が大きな謀略だったのだが）、見つかってしまい、死者も出てオンちゃんは行方不明になってしまう。
アギャーの仲間でオンちゃんの親友（イイドウシ）だったグスク、オンちゃんの弟（ウットウ）のレイ、オンちゃんの恋人・ヤマコの３人は、オンちゃんを探しながらそれぞれの人生を歩むことになる。グスクは警察官になり、レイはヤクザの道に、ヤマコはＡサインの歓楽街に勤めた後教師になる。
グスクはアメリカ兵によるさまざまな事件の摘発に辣腕をふるう一方で、アメリカの諜報機関の「友人」になり、アメリカの沖縄人支配の内部をみることになる。レイはコザ派と那覇派の抗争、本土の暴力団との争いなどにまきこまれ、これも沖縄の裏面史を歩む。
ヤマコは教職員組合運動や沖縄復帰協の運動に参加することになる。
もうひとりの「英雄」、瀬長亀次郎も登場する。レイは刑務所の中で、ヤマコは復帰協の運動の中で知り合う。（復帰協の運動など史実にはかなり忠実である。）
ユタやノロを敬うウチナーのこころがよく描かれる。
「てーげー」も「なんくるないさあ」も、ただのいいかげんや能天気なのではない。（ｐ４３５）
基地やアメリカ人の犯罪はこれでもか、これでもかとリアルに叙述される。（ｐ５２０）
そしていつも沖縄を手段とし、だましてきた日本政府と日本人への怨念のこもった思いが語られる。
小説には、抗争や暴力のハードボイルドな記述も多く、そこは苦手だが、沖縄の自然を描く文章のかずかずはほんとうに美しい。（ｐ５１４）
そして最後の場面は、永遠の時間であり、亡き人々との邂逅である。
「おまえもそこにいるのか、ウタ？」
ああそうさ、おいらもここで地霊（ユンタ―）となって、語り部のひとり（シマ・ヌ・アビー）になっている。……
（キヨとも会えたよ）
（タイラさんもいるね）
（顔の知らない母ちゃんアンマーも）
（それからオンちゃんとも会えた）
（これからどうなるの？）
（われら沖縄人 ウチナンチュはじきに嘆きや絶望にも飽きて）
（希望を口にし始める）
（そのときまでこうして語り続けるのさ）
だからまた始めよう、そろそろ本当に生きるときが来た―
ぼくは大江健三郎さんの『懐かしい手紙』の最後の美しい場面を思い出した。
県民投票ももうじきである。
masao55ota1 at 16:24｜Permalink│Comments(0)│
2019年02月16日
「こんな夜更けにバナナかよ」
１５年ほど前に出版された渡辺一史さんの本の映画化。鹿野靖明さんは、１１才の時筋ジストロフィーと診断され病院や施設で過ごすが、２３才の時地域で自立生活を送ることを決意、ボランティアに助けられながら、のちには人工呼吸器をつけながら地域で暮らす。
大学生を含めて関わったボランティアは５００名という。「鹿野ボラ」とか「鹿野ファミリー」と呼ばれた。
いつも夢を持ち、わがままと言ってもいいほど人間として自由に生きたい気持ちを貫き、おしゃべりで、惚れっぽい鹿野さん。ボランティアたちは、ときに翻弄され、ときに頭に来ながら、鹿野さんの生き方に学んでいく。
気になったことばたち。
（障害者はもちろん人間は）「できることよりできないことの方が多い」
「迷惑をかけあうのが人間なんだ」
「助けを求める勇気」
「（ボラも）おれに学ぶって言ってるよ。対等なんだ」
「正直に生きろよ」
演技しているのか、と思うほど自然な演技の高畑充希が素晴らしくいい。
１９９９年、上福岡にいた伊藤準さんが地域での自立生活を始め『準のヘッドポインター』という本を書いた。ぼくも帯文を書いたが、なにもできなかった。このあいだ今は別の地方に住んで元気だと聞いた。
この時期は、当事者とボランティアの関係だけでつくるしかなかった。しかし、それでは広がりや継続がむずかしい。どうしても社会的な制度が必要だ。今は在宅福祉制度などが進んだが、実態はどうなのだろう。
masao55ota1 at 11:42｜Permalink│Comments(0)│
2019年02月15日
「芸人と兵隊」
「芸人と兵隊」（トム・プロジェクト）の舞台を観た。東京芸術劇場。昭和１６年春、ベテランの夫婦漫才士師が慰問団「わらわし隊」を率いて中国への１０ヶ月の旅に出る。不本意ではあるが、それでも人間には笑いが必要だと、旅の間も芸を磨く。しかし、ついに戦闘に巻き込まれる。……
戦争は嫌いだ、戦争は憎い。それでも芸を極めようとする芸人たちの苦闘。
村井國夫、柴田理恵の二人はもちろん若手も芸達者。こういう芝居だから芸に励まざるを得ないだろう。
masao55ota1 at 09:56｜Permalink│Comments(0)│
公民館漬け
１２日夜。こしじさんで年金支給日の会。料理はいつもお任せだが、新しいものをつくってくれておいしい。
また新しいメンバーが増えてこの日は６人。
話は「公民館を考える会」のことがどうしても多くなる。
１３日。公民館運営審議会を傍聴。この日は４人も傍聴者がいた。
期待する肝心のことは議論にならないので、ウーン。
１４日。「公民館を考える会」のお知らせをつくり、メールで送ったり、手紙で出したりして午前中いっぱいかかった。
ボンヤリしていたら、公民館から電話があり、別件で約束していたことを思い出しかけつけた。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
１３日、ＮＨＫ朝ドラ「まんぷく」のラーメンがとうとう完成した。
お祝いにぼくも買ってきてお昼に食べた。
このラーメンを食べると学生時代を思い出す。
寮に入ったぼくだが、朝は寝坊で、夜は帰りが遅くて寮食が食べられない。深夜お湯をかけて食べた。川崎では１０円のうどんたまに醤油をかけて食べるようなこともあった。高校時代５６キロだった体重はすぐ５１キロになった。（今はそれより少し多い。）
ズボンを買おうとすると、腹囲がいちばん細いのが７４センチだったが、それでもブカブカだった。（今はそれより少し多い。）
また新しいメンバーが増えてこの日は６人。
話は「公民館を考える会」のことがどうしても多くなる。
１３日。公民館運営審議会を傍聴。この日は４人も傍聴者がいた。
期待する肝心のことは議論にならないので、ウーン。
１４日。「公民館を考える会」のお知らせをつくり、メールで送ったり、手紙で出したりして午前中いっぱいかかった。
ボンヤリしていたら、公民館から電話があり、別件で約束していたことを思い出しかけつけた。
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１３日、ＮＨＫ朝ドラ「まんぷく」のラーメンがとうとう完成した。お祝いにぼくも買ってきてお昼に食べた。
このラーメンを食べると学生時代を思い出す。
寮に入ったぼくだが、朝は寝坊で、夜は帰りが遅くて寮食が食べられない。深夜お湯をかけて食べた。川崎では１０円のうどんたまに醤油をかけて食べるようなこともあった。高校時代５６キロだった体重はすぐ５１キロになった。（今はそれより少し多い。）
ズボンを買おうとすると、腹囲がいちばん細いのが７４センチだったが、それでもブカブカだった。（今はそれより少し多い。）
masao55ota1 at 09:52｜Permalink│Comments(0)│
2019年02月14日
ニムロッド
ナカモトサトシは、ある企業に勤めるＩＴ技術者。社長の命令で新設された「採掘課」の課長になる。採掘課は、仮想通貨・ビットコインの採掘をする部署である。小説を書いていたが挫折し、名古屋支社に左遷されている元同僚は、「ニムロッド」というハンドルネームでときどきサトシにメールを送って来る。
実はニムロッドこそが仮想通貨・ビットコインの創設者である。小説を書くことで、人の心に文字を刻み世界を支えようと思っていた夢のかわりに、巨万の富を集め、バベルの塔のような塔を築いていく。……
情報技術が高度に発達し、究極の資本主義ともいえる仮想通貨を生み出し、生産性は極限まで高められ、人間にできないことはなくなり、永遠の命すら手に入れる。しかし、やるべきことは何もなくなって「僕たちは全能になって世界に溶ける。すべては取り換え可能であったという回答を残して」。それは人類の終末の世界であり、塔はその象徴である。
情報とお金が独り歩きして支配する社会の、人間にとっての空洞と虚無。
こういう社会像はまったくの仮構ではない。文部科学省のSociety5.0が描く「超スマート社会」はこれに連接するのではないか。
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「ニムロッド」はエルガーのエニグマ変奏曲の第９の曲名でもある。ぼくの一番愛する音楽であり、この世界の対極にある。
masao55ota1 at 10:54｜Permalink│Comments(0)│
2019年02月13日
南蛮の道
ポルトガルから帰ってきてから読んだ。司馬遼太郎さんの『街道をゆく』シリーズの「南蛮の道」は、スペインとポルトガルだが、ポルトガルは�兇房�められている。
司馬さんという人は怪物だと、あらためて思う。
まずその博覧強記。そのぶりは広範な分野に渉るが、文学者では木下杢太郎（本名・太田正雄）と檀一雄。檀さんもポルトガルに滞在したとあるが、どこかに書いてあったっけ。
ついでその想像力と大胆な仮説。
例えば、日本のお茶の袱紗の所作は宣教師たちのミサの所作から来ているのではないか、とか。
その感性にも驚かされる。
ぼくも見たリスボンのベレンの塔は海を監視する要塞であるが、司馬さんは貴婦人に見立て「テージョ川の公女」と名付けている。（そのとなりの「海洋発見記念碑」でスリに遭った。）
もっとも司馬さんが「女性的」と形容するのは、ポルトガルの家、壁、アズリージョ（絵タイル）すべてについてである。スペインから入った司馬さんはスペインの男性的な印象の反動のようでもあるかもしれない。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
ところでなぜ「南蛮の道」か、「南蛮」とは何か。
南蛮はもともと中国の言葉で南方民族、日本にとっては直接には東南アジアの国を意味した。たとえば、陶器の「南蛮焼き」はベトナムやカンボジアの焼き締めを意味する。（森岡成好さんに代表されるような）
しかし、南蛮貿易の開始以来南蛮はその担い手だったポルトガルやスペインを意味するようになった。彼らがもたらした南蛮料理はトウガラシやネギを使うことが多く、「南蛮漬け」や「鴨南蛮」として今も残る、ということらしい。
masao55ota1 at 14:29｜Permalink│Comments(0)│
2019年02月12日
立春の「春」と「spring」と日本の「春」は違う
福寿草が咲いた。でも今年のいまはとても寒い。
２月４日は「立春」（春が始まるとされる日、新明解）ということになっているが、実際の季節感とは程遠い。
７２候では、２月４日は、「春風解凍」（はるかぜこおりをとく、春風に氷が解ける頃）、あと２日後の１４日は「魚上氷」（うおこおりをいずる、温かくなった氷の上に魚の姿が見え始める頃）でこれらも同様、実際の季節感とはかなりずれている。
なぜか。
いずれも気候の違う中国発祥だからではないかと思ってみるが、中国文化の中心だった華北の今は日本よりさらに寒いだろう。
これは中国では、冬至と春分の中間で「節」を「分」けており、そこから「春」が始まるとしているかららしい。陰暦ではそれが正月とほぼ重なるので、正月は「新春」となる。
つまり、もっぱら暦法上の都合で設けられており、実際の季節はもともと離れているということになる。
ちなみに西欧では、spring は春分から夏至までとされ、日本の気象庁は３月から５月としているのだそうだ。
masao55ota1 at 10:24｜Permalink│Comments(0)│
2019年02月11日
ポルトガルのタバコ
ポルトガルでタバコを買ったが、みんなタバコの害を訴えるどぎつい写真のパックである。とても吸う気になれず、買う気が失せる。いちばんおとなしい写真のを買った。ポルトガル語は読めないが、多分、死ぬと子どもが悲しむよ、という写真だと思う。
ちなみにタバコもポルトガル語である。
masao55ota1 at 21:27｜Permalink│Comments(0)│
2019年02月10日
名古屋２
交流会第1日目。参加者は700人。いつもながらこの集会の参加者はほんとうに若い。はじめの集いに続く分科会は、「ともに働く」分科会に出た。地域づくりと結んだ「仕事づくり」の各地の実践に学んだ。
昨日、岐阜のトキさんが、大学院生のＫさんとともに来た。分科会で報告したのだそうだ。来ることを知らなかったのでびっくりした。
会としての懇親会後、前日行った居酒屋さんで飲んだ。前日のおねえさんが憶えていてくれた。
第2日目は「多様な学び」分科会に出て、午後は、「分野横断トーク・権利としての若者協同実践」でコーディネーター。
ところでホテルの２泊目は、朝食を頼むのを忘れて外の喫茶店で。でもそこは名古屋の喫茶店。モーニングサービス発祥の地である。
今、帰りの新幹線。
masao55ota1 at 17:45｜Permalink│Comments(0)│
2019年02月08日
名古屋
ナゴヤに来ている。
明日から始まる「第14回全国若者・ひきこもり協同実践交流会 in 愛知」に参加するため。今日は、理事会。ぼくは風邪が完治しなくてどうしようか迷ったが、約束だから鼻をぐすぐすいわせながら来た。
理事会後、みんなで飲んだ。手羽先のから揚げ、味噌カツ、味噌おでん、今日はもちろん出なかったが天むす、ひつまぶしをふくめてぼくは名古屋料理は好きだと思う。
ホテルは栄の真ん中。小川利夫先生とこのあたりでよく飲んだことを思い出す。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
ところで、大事にしていた大学カラーのモスグリーンのマフラーを新幹線に忘れてきた。ポルトガルの失態に続いてで、へこんだ。
さっきいっしょに飲んだヨウサクさんとは何度か海外旅行をしていて、ベトナムで彼が現金を盗まれたことを思い出して、ポルトガルでスリにあったことを話した。そうしたら彼はそのほかにイタリアで2度も盗難にあっているのだという。ぼく以上に注意力散漫な男がいると知って、マフラーなんぞという気になった。
明日から始まる「第14回全国若者・ひきこもり協同実践交流会 in 愛知」に参加するため。今日は、理事会。ぼくは風邪が完治しなくてどうしようか迷ったが、約束だから鼻をぐすぐすいわせながら来た。
理事会後、みんなで飲んだ。手羽先のから揚げ、味噌カツ、味噌おでん、今日はもちろん出なかったが天むす、ひつまぶしをふくめてぼくは名古屋料理は好きだと思う。
ホテルは栄の真ん中。小川利夫先生とこのあたりでよく飲んだことを思い出す。
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ところで、大事にしていた大学カラーのモスグリーンのマフラーを新幹線に忘れてきた。ポルトガルの失態に続いてで、へこんだ。
さっきいっしょに飲んだヨウサクさんとは何度か海外旅行をしていて、ベトナムで彼が現金を盗まれたことを思い出して、ポルトガルでスリにあったことを話した。そうしたら彼はそのほかにイタリアで2度も盗難にあっているのだという。ぼく以上に注意力散漫な男がいると知って、マフラーなんぞという気になった。
masao55ota1 at 23:28｜Permalink│Comments(0)│
2019年02月07日
ポルトガル
ポルトガルに行ってきた。
トラベルはトラブルつづきだった。
ドイツから乗り継ぎの飛行機がリスボンの悪天候で欠航、フランクフルトで足止めになった。翌日の代わりの飛行機もルフトハンザの手違いで出発できず、ポルトガル入りは大幅に遅れた。（そのかわりフランクフルト市内を観光した。マイン川がよかった。）
おまけに、風邪をひき、旅行中ずっと鼻水とのたたかい。（リスボンの薬局で、何と言っていいかわからず、鼻を指さし「ノーズ」、水が垂れる様子をして「ウォーター」と言ったら、鼻洗浄の薬をくれた。断ってあきらめた。）、体力の低下を実感した。
カステラ風のものをのぞいてパン（これもポルトガル語）が固く、歯力の低下を実感した。
仕上げは、フランシスコ・ザビエルの像の前でスリにお金を取られた。注意力の低下を実感した。
ウォーラ―ステインの近代世界システム論は、大航海時代から始まる。大航海時代と世界分割の先鞭をつけたのがポルトガル（とスペイン）だった。ユーラシア大陸の最西端のポルトガルは、アフリカの西海岸（アンゴラやコンゴ）、南アメリカのブラジル、アジアではマカオや現ティモールなどを植民地にした。
３０年ほど前、スペインで開かれた世界中等教育会議に参加したとき、フランスなどラテン系諸国が中心になるその会議でそれらの旧植民地が集まっている状景を見て実感したものだった。（その会議で、ネルソン・マンデラさんと握手をした。）
今はすべての植民地が独立し、ポルトガルは日本の面積の４分の１、人口は１０分の１以下の小国だが、現地に住む日本人の人はとても暮らしやすくていい国だと言っていた。
クリスチアン・ロナウドには会えなかったが、イワシもタコもおいしくて、楽しい旅だった。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
旅行中、サトシくんのご母堂が亡くなった。一昨年にお会いしたときはお元気だったので驚いた。ドイツにいるとき、Ｏさんが連絡をくれてお花は供えることができた。
ブログを休んだので、心配のメールをいただいた。これは帰ってから拝見した。ありがたい。
トラベルはトラブルつづきだった。
ドイツから乗り継ぎの飛行機がリスボンの悪天候で欠航、フランクフルトで足止めになった。翌日の代わりの飛行機もルフトハンザの手違いで出発できず、ポルトガル入りは大幅に遅れた。（そのかわりフランクフルト市内を観光した。マイン川がよかった。）
おまけに、風邪をひき、旅行中ずっと鼻水とのたたかい。（リスボンの薬局で、何と言っていいかわからず、鼻を指さし「ノーズ」、水が垂れる様子をして「ウォーター」と言ったら、鼻洗浄の薬をくれた。断ってあきらめた。）、体力の低下を実感した。
カステラ風のものをのぞいてパン（これもポルトガル語）が固く、歯力の低下を実感した。
仕上げは、フランシスコ・ザビエルの像の前でスリにお金を取られた。注意力の低下を実感した。
ウォーラ―ステインの近代世界システム論は、大航海時代から始まる。大航海時代と世界分割の先鞭をつけたのがポルトガル（とスペイン）だった。ユーラシア大陸の最西端のポルトガルは、アフリカの西海岸（アンゴラやコンゴ）、南アメリカのブラジル、アジアではマカオや現ティモールなどを植民地にした。
３０年ほど前、スペインで開かれた世界中等教育会議に参加したとき、フランスなどラテン系諸国が中心になるその会議でそれらの旧植民地が集まっている状景を見て実感したものだった。（その会議で、ネルソン・マンデラさんと握手をした。）
今はすべての植民地が独立し、ポルトガルは日本の面積の４分の１、人口は１０分の１以下の小国だが、現地に住む日本人の人はとても暮らしやすくていい国だと言っていた。
クリスチアン・ロナウドには会えなかったが、イワシもタコもおいしくて、楽しい旅だった。
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旅行中、サトシくんのご母堂が亡くなった。一昨年にお会いしたときはお元気だったので驚いた。ドイツにいるとき、Ｏさんが連絡をくれてお花は供えることができた。
ブログを休んだので、心配のメールをいただいた。これは帰ってから拝見した。ありがたい。
masao55ota1 at 17:36｜Permalink│Comments(0)│
