2014年05月
あわいの力
著者の安田登さんは、能役者。
この本には度肝を抜かれた。
今から3300年前、中国の殷で漢字が発明された。亀甲文字である。ところがその4000に及ぶ漢字に「心」の文字はない。なぜか?
それは、当時の人間に心がなかったからである。(あえて極端に要約)
それでは人間の心が生まれたのはいつか?
漢字の「心」はその300年後に誕生する。それは人間に心が生まれたからである。どうして生まれたのか?
それは、ほかならぬ漢字によってである。漢字で記録することによって、時間の観念が生まれた。それは喜びや悲しみという感情を生み、心が生まれた!
そういう事情は、メソポタミアの楔形文字でも、古代ギリシャ語でも同じであり、個体発生においても同じだという。
三重苦の障害を持つヘレン・ケラーは、サリバン先生によって「W・A・T・E・R」の文字を獲得するが、文字によって世界をわがものにした喜びと共に、それまでの自分の行動がわかり、「後悔と悲しみ」をも得た。
心はさまざまな副作用を生み、鬱や自殺などの原因にもなる。心の問題は解決がむずかしい、それではどうしたらいいか?…
著者の身体論は面白い。
この本には度肝を抜かれた。
今から3300年前、中国の殷で漢字が発明された。亀甲文字である。ところがその4000に及ぶ漢字に「心」の文字はない。なぜか?
それは、当時の人間に心がなかったからである。(あえて極端に要約)
それでは人間の心が生まれたのはいつか?
漢字の「心」はその300年後に誕生する。それは人間に心が生まれたからである。どうして生まれたのか?
それは、ほかならぬ漢字によってである。漢字で記録することによって、時間の観念が生まれた。それは喜びや悲しみという感情を生み、心が生まれた!
そういう事情は、メソポタミアの楔形文字でも、古代ギリシャ語でも同じであり、個体発生においても同じだという。
三重苦の障害を持つヘレン・ケラーは、サリバン先生によって「W・A・T・E・R」の文字を獲得するが、文字によって世界をわがものにした喜びと共に、それまでの自分の行動がわかり、「後悔と悲しみ」をも得た。
心はさまざまな副作用を生み、鬱や自殺などの原因にもなる。心の問題は解決がむずかしい、それではどうしたらいいか?…
著者の身体論は面白い。
『なぜ世界の半分が飢えるのか』
しばらく前の西水美恵子さんの記事で、世界銀行に触れた。
その世界銀行のことで、環境問題にかかわる他学部からの教員から、小言をいただいた。そしてこの本(スーザン・ジョージ、朝日選書)を読むように言われた。
この本が書かれたのは、1977年(翻訳の出版は1984年)。当時、食糧危機が叫ばれ巨大な多国籍企業が形成され、アグリビジネスを展開し始めた。アグリビジネスは途上国の、その国の中では豊潤な土地を買占め大規模農業をおこなった。そこに住んでいた住民は農業に適さない土地に追いやられ、飢饉のときには大勢が飢餓で死んだ。
アグリビジネスは、先進国向けの食糧生産のために一品種大量生産を行い、風土にあった多品種生産の循環型農業をこわした。
世界銀行は、「貧困の絶滅」を標榜したのは事実だが、そうしたアグリビジネス中心の先進国中心の「開発」の流れを止めることはできなかった。
developeは、自動詞としては「発展」だが、他動詞としての(つまり他国による) developは「開発」である。こうした他動詞としてのdevelop 「開発」という言葉を使い始めたのはアメリカのトゥルーマン大統領だといわれている。ちなみに「内発的発展」には、spontaneous(自発的な) development があてられる。
その世界銀行のことで、環境問題にかかわる他学部からの教員から、小言をいただいた。そしてこの本(スーザン・ジョージ、朝日選書)を読むように言われた。
この本が書かれたのは、1977年(翻訳の出版は1984年)。当時、食糧危機が叫ばれ巨大な多国籍企業が形成され、アグリビジネスを展開し始めた。アグリビジネスは途上国の、その国の中では豊潤な土地を買占め大規模農業をおこなった。そこに住んでいた住民は農業に適さない土地に追いやられ、飢饉のときには大勢が飢餓で死んだ。
アグリビジネスは、先進国向けの食糧生産のために一品種大量生産を行い、風土にあった多品種生産の循環型農業をこわした。
世界銀行は、「貧困の絶滅」を標榜したのは事実だが、そうしたアグリビジネス中心の先進国中心の「開発」の流れを止めることはできなかった。
developeは、自動詞としては「発展」だが、他動詞としての(つまり他国による) developは「開発」である。こうした他動詞としてのdevelop 「開発」という言葉を使い始めたのはアメリカのトゥルーマン大統領だといわれている。ちなみに「内発的発展」には、spontaneous(自発的な) development があてられる。
2014年05月27日
「みすてられた島」
中津留章仁さんは、下北沢で劇団「トラッシュマスターズ」を主宰する劇作家で、演出家である。時代の最先端の課題に正面から切り込み、新しい演劇表現の可能性を試みている。「どなたにも楽しんでいただける」演劇を標榜しながら、3時間ぶつづけの公演を打つというようなバイタリティあふれる人である。
その中津留さんが青年劇場定期公演に登場した。
「みすてられた島」は、日本の近未来の島が舞台で、その島は戦争をした日本から独立を余儀なくされる、憲法をつくらなければならない、どうする?、という設定である。
実は第2次大戦後、伊豆大島も一時同じような境遇になり、大島憲法をつくったりしたその経験がモデルのようなのである。
今の状況に問いかけるテーマはまじめだが、人間ドラマとしても面白く、笑いがふんだん。唾を飛ばすようなしゃべりはシモキタの雰囲気。
その中津留さんが青年劇場定期公演に登場した。
「みすてられた島」は、日本の近未来の島が舞台で、その島は戦争をした日本から独立を余儀なくされる、憲法をつくらなければならない、どうする?、という設定である。
実は第2次大戦後、伊豆大島も一時同じような境遇になり、大島憲法をつくったりしたその経験がモデルのようなのである。
今の状況に問いかけるテーマはまじめだが、人間ドラマとしても面白く、笑いがふんだん。唾を飛ばすようなしゃべりはシモキタの雰囲気。
2014年05月26日
MVP
板橋校舎で、大学の青桐会(父母会)と同窓会の会合や懇親会が並行してあった。一日、本当にたくさんのかたがたとお話した。
また、この日は、陸上、ラグビー、野球などの大きな試合があり、その経過や結果についての連絡が次々と入った。
陸上(関東インカレ)では、MVPに男子の桐生くんと並んで、女子では森智香子さんが選ばれたそうだ。ライバル候補は、土井杏南さん、福内櫻子さんなど本学同士だったということだ。
東松山校舎で行われたラグビー春季リーグ戦の慶応大学との試合は56−7で勝った。8年ぶりらしい。
夜は、テレビでバスケットボールbjリーグの決勝戦を見た。沖縄の琉球ゴールデンキングスが優勝した。
前日、新人賞を受賞した卒業生の岸本君が、この日も大活躍。3ポイントシュート7本を含む34点をあげて優勝に貢献した。
今朝の新聞には、岸本君のプレーが写真入で出ており、記事によればプレーオフMVPに選ばれたそうだ。
MVP2人、すごいことだ。
また、この日は、陸上、ラグビー、野球などの大きな試合があり、その経過や結果についての連絡が次々と入った。
陸上(関東インカレ)では、MVPに男子の桐生くんと並んで、女子では森智香子さんが選ばれたそうだ。ライバル候補は、土井杏南さん、福内櫻子さんなど本学同士だったということだ。
東松山校舎で行われたラグビー春季リーグ戦の慶応大学との試合は56−7で勝った。8年ぶりらしい。
夜は、テレビでバスケットボールbjリーグの決勝戦を見た。沖縄の琉球ゴールデンキングスが優勝した。
前日、新人賞を受賞した卒業生の岸本君が、この日も大活躍。3ポイントシュート7本を含む34点をあげて優勝に貢献した。
今朝の新聞には、岸本君のプレーが写真入で出ており、記事によればプレーオフMVPに選ばれたそうだ。
MVP2人、すごいことだ。
2014年05月25日
2014年05月24日
シアター!
卒業生のS君に薦められた本。
本に登場するシアターフラッグは、エンターテインメントとしての芝居をする小劇団である。
「客層は演劇プロパーではない。演劇に詳しくない一般の浅い客がメインだ。…分かりやすいエンターテインメントを目指す劇団はなかなか評価されない。…プロパーに評価される商品が悪いというわけではない。それは業界で確かに必要なものだろう。…分かりやすいものを軽視する風潮には、商業的に成立するために不可欠な一般客への侮蔑がある」。
エンタメ宣言とも言えるこの文章は自らの小説への自負でもあろう。
ちなみにシリアスなドキュメンタリーを撮る映画監督の森康行さんと、お互いのベスト10をあげたときに、「ローマの休日」と「ウエストサイドストーリー」が共通していてうれしかった。
本に登場するシアターフラッグは、エンターテインメントとしての芝居をする小劇団である。
「客層は演劇プロパーではない。演劇に詳しくない一般の浅い客がメインだ。…分かりやすいエンターテインメントを目指す劇団はなかなか評価されない。…プロパーに評価される商品が悪いというわけではない。それは業界で確かに必要なものだろう。…分かりやすいものを軽視する風潮には、商業的に成立するために不可欠な一般客への侮蔑がある」。
エンタメ宣言とも言えるこの文章は自らの小説への自負でもあろう。
ちなみにシリアスなドキュメンタリーを撮る映画監督の森康行さんと、お互いのベスト10をあげたときに、「ローマの休日」と「ウエストサイドストーリー」が共通していてうれしかった。
2014年05月22日
伊集院静さん
レミゼラブルに触れて「許す」ということについて書いた。「許す」という言葉にひかれて『許す力』を手に取った。
許すことのできないものを持つ自分をだめな人間だと思うこともある。しかし伊集院さんは、許せないものに出会うことが生きることだし、人はみな許せないことを抱えて生きていくのだという。
「許すとは高き姿勢や夾竹桃」という俳句も紹介しながら。(ただ、この本は許すということをテーマとしたものではなくエッセイ集のようなものである。)
『ノボさん』は正岡子規の生涯を、学生時代からの夏目漱石との交流を軸にして描いた。
正岡子規は、「野球」の翻訳者として知られるが、実際はそうではないらしい。
子規の本名は升(ノボル)だが、一時雅号というか俳号として「野球」(ノ・ボール)を使ったことがあるということらしい。
許すことのできないものを持つ自分をだめな人間だと思うこともある。しかし伊集院さんは、許せないものに出会うことが生きることだし、人はみな許せないことを抱えて生きていくのだという。
「許すとは高き姿勢や夾竹桃」という俳句も紹介しながら。(ただ、この本は許すということをテーマとしたものではなくエッセイ集のようなものである。)
『ノボさん』は正岡子規の生涯を、学生時代からの夏目漱石との交流を軸にして描いた。
正岡子規は、「野球」の翻訳者として知られるが、実際はそうではないらしい。
子規の本名は升(ノボル)だが、一時雅号というか俳号として「野球」(ノ・ボール)を使ったことがあるということらしい。
2014年05月18日
2014年05月16日
西水美恵子さん
今週は、大学内外、国内外からの来客が多かった。
そのお一人。
西水美恵子さんが学生に講演をしに来てくださった。
2,3日前に、西水さんをお招きした教員から西水さんの著書が届けられた。『国をつくるという仕事』、『あなたの中のリーダーへ』(いずれも英治出版)である。予習をしておけ、ということだろう。
2冊、始めのほうだけだが読んだ。とても驚き、感動した。
西水さんは世界銀行の元副総裁だが、プリンストン大学から転身した。それからの23年間は「貧困のない世界をつくる」夢を追う日々だったという。
世界銀行に融資を求める国は発展途上国が多い。西水さんは、ブータン、スリランカ、バングラディッシュなど南アジアの国々を担当するが、草の根の民衆の生活からの視点に立とうと、ホームステイをして暮らす。「貧民の生活など知ろうともしない為政者を圧倒する目線や情報が手に入るから」だ。それに励まされて「権力者との闘いにしり込みをする暇などなかった」。
粗末な家や無教育という貧困の現実に触れて、自分の心の片隅に住む差別意識や偏見という「幽霊」や「鬼」が出ることもある。しかし、西水さんは、ホームステイをつづけることで人々の思いのなかに真実を見つけていく。西水さんの「脊髄に火をつけ」、「本気のスイッチ」を入れさせるのは、自分の腕の中で飢餓で死んでいった羽のように軽いナディアであり、1日に3回合計6時間の水汲みの生活を語ってくれたアマ(母親)である。
「国づくりは人づくり」という。(人をつくるという言い方に、ぼくは躊躇があるが)国づくりにせよ、地域づくりにせよ、それを担う人間がいるかどうか、育つかどうかに鍵があるということは共通する。西水さんは、それをリーダーと呼ぶ。リーダーとはエリートや支配者のことではない。国民、住民の一人ひとりのことである。
育児をしていても、家事をしていても、職業についていても、「夢と情熱と信念」を持ち、「頭とハートがつながって」おり、「まわりの人々にやる気と勇気をもたらす」人のことである。自分自身の主人公となり、他者と世界への関心と変革の意思をもちつづける人のことである。
講演も聴いた。
そこであらためて思ったのは、「学ぶ」「学習」という言葉が多かったことである。
西水さんは、ナディアに、アマに学んだ。
また、リーダー(自分と他者への関心を持ち続ける人)になるためには学習が必要だ。
内発的発展には、それを担う人々の学習、社会教育・生涯学習がなければならない。
ぼくは、「地域」をキーワードとする研究においても、上原專禄先生に学んで「地域と日本と世界」を貫く教養、視点が大事だと言ってきた。(「貫く」のところは「串刺しにする」と言っていたが、それは物騒な感じがするという同僚の意見を入れて、変えた)
学習は、地域づくりでも、国づくりでも、グローバルな意味でも、キーワードである。
そのお一人。
西水美恵子さんが学生に講演をしに来てくださった。
2,3日前に、西水さんをお招きした教員から西水さんの著書が届けられた。『国をつくるという仕事』、『あなたの中のリーダーへ』(いずれも英治出版)である。予習をしておけ、ということだろう。
2冊、始めのほうだけだが読んだ。とても驚き、感動した。
西水さんは世界銀行の元副総裁だが、プリンストン大学から転身した。それからの23年間は「貧困のない世界をつくる」夢を追う日々だったという。
世界銀行に融資を求める国は発展途上国が多い。西水さんは、ブータン、スリランカ、バングラディッシュなど南アジアの国々を担当するが、草の根の民衆の生活からの視点に立とうと、ホームステイをして暮らす。「貧民の生活など知ろうともしない為政者を圧倒する目線や情報が手に入るから」だ。それに励まされて「権力者との闘いにしり込みをする暇などなかった」。
粗末な家や無教育という貧困の現実に触れて、自分の心の片隅に住む差別意識や偏見という「幽霊」や「鬼」が出ることもある。しかし、西水さんは、ホームステイをつづけることで人々の思いのなかに真実を見つけていく。西水さんの「脊髄に火をつけ」、「本気のスイッチ」を入れさせるのは、自分の腕の中で飢餓で死んでいった羽のように軽いナディアであり、1日に3回合計6時間の水汲みの生活を語ってくれたアマ(母親)である。
「国づくりは人づくり」という。(人をつくるという言い方に、ぼくは躊躇があるが)国づくりにせよ、地域づくりにせよ、それを担う人間がいるかどうか、育つかどうかに鍵があるということは共通する。西水さんは、それをリーダーと呼ぶ。リーダーとはエリートや支配者のことではない。国民、住民の一人ひとりのことである。
育児をしていても、家事をしていても、職業についていても、「夢と情熱と信念」を持ち、「頭とハートがつながって」おり、「まわりの人々にやる気と勇気をもたらす」人のことである。自分自身の主人公となり、他者と世界への関心と変革の意思をもちつづける人のことである。
講演も聴いた。
そこであらためて思ったのは、「学ぶ」「学習」という言葉が多かったことである。
西水さんは、ナディアに、アマに学んだ。
また、リーダー(自分と他者への関心を持ち続ける人)になるためには学習が必要だ。
内発的発展には、それを担う人々の学習、社会教育・生涯学習がなければならない。
ぼくは、「地域」をキーワードとする研究においても、上原專禄先生に学んで「地域と日本と世界」を貫く教養、視点が大事だと言ってきた。(「貫く」のところは「串刺しにする」と言っていたが、それは物騒な感じがするという同僚の意見を入れて、変えた)
学習は、地域づくりでも、国づくりでも、グローバルな意味でも、キーワードである。
2014年05月14日
2014年05月13日
2014年05月09日
食事の時間
家で食事をするとき、(お酒を飲んでいないとき)、ぼくは食事が早い。
家人からあわただしいと小言を言われる。
「すみません。サラリーマンなので」と言い訳する。
職場で同僚と食事をするとき(お酒を飲んでいなくとも)、ぼくは食事が遅い。
同僚から文句を言われるのではないが、
「すみません。サラリーマン生活の経験が短いもので」と言い訳する。
同じ速さなのだけど。
連休で自宅に来ていた双子の新1年生は、もちろんぼくよりはるかに食事が遅い。
学校のことを聞いてみると、学校では食事の時間が決まっているのだそうだ。
一人はまだ完食したことがないという。
もう一人は2回だけ完食したという。カレーとスパゲッティのときだそうだ。
ちなみに小学校のとき、ぼくは給食が苦手で、それも学校に行くのがいやな理由のひとつだった。
すみません。つまらない話題で。
2014年05月06日
有川浩さん
先日B高校で昼食を食べながら、S君と話しているとき有川浩さんの話になった。たぶんS君が話し出したのだと思う。『県庁おもてなし課』はいい、『図書館戦争』は途中でやめた、ということで共通していた。
『図書館戦争』は、「図書館の自由に関する宣言」を守るために若者たちが立ち上がるというストーリーである。「図書館の自由」を守るというテーマ設定は面白い。「はだしのゲン」の扱いが問題になっているような時勢だから。
舞台に東京都日野市がなっているのもいい。「図書館の自由に関する宣言」を推進した日本図書館協会の中心メンバーが図書館長や市長になって、いわば実験的な図書館としてつくったのが日野の図書館だったから。
でも小説は、自由を守るために軍隊的な組織をつくったり、用語が飛び交うのには閉口して読むのをやめた。
でも『県庁おもてなし課』はいい。
ぼくはまちづくりを学ぶ学生に、この本と、三浦しおん『神去りなあなあ日常−』を薦めている。この2冊には、まちづくりに重要な「内発的発展論」のほとんどの要素が入っているからだ。
あるいは、ぼくはまちづくりの要諦として、スモール、スロウ、サスティナブルの「3つのS」をあげているが、それも具体的に述べられている。
有川浩さんと三浦しおんさんの小説は面白い。まずは主題というか素材の選定が抜群だ。
また、読者が、こうなったら困るなあという心配をしたり、こうなって欲しいと期待したり、この二人は仲良くなるだろうという予想したりするのが、そのとおりになる。いわばエンターテインメントとしての面白さが満開だ。
お二人の小説が次から次へと映画化されるのもそういうところからだろう。
エンターテインメントと言えば、池井戸潤さんのものもあるが、「倍返し」というような復讐ものはちょっと。
S君は、昼食のとき、有川さんの『シアタ−!』がいいと薦めてくれた。(思い出したが、そこから有川さんの話題になったのだ)
さっそくアマゾンで注文したのが届いた。
『図書館戦争』は、「図書館の自由に関する宣言」を守るために若者たちが立ち上がるというストーリーである。「図書館の自由」を守るというテーマ設定は面白い。「はだしのゲン」の扱いが問題になっているような時勢だから。
舞台に東京都日野市がなっているのもいい。「図書館の自由に関する宣言」を推進した日本図書館協会の中心メンバーが図書館長や市長になって、いわば実験的な図書館としてつくったのが日野の図書館だったから。
でも小説は、自由を守るために軍隊的な組織をつくったり、用語が飛び交うのには閉口して読むのをやめた。
でも『県庁おもてなし課』はいい。
ぼくはまちづくりを学ぶ学生に、この本と、三浦しおん『神去りなあなあ日常−』を薦めている。この2冊には、まちづくりに重要な「内発的発展論」のほとんどの要素が入っているからだ。
あるいは、ぼくはまちづくりの要諦として、スモール、スロウ、サスティナブルの「3つのS」をあげているが、それも具体的に述べられている。
有川浩さんと三浦しおんさんの小説は面白い。まずは主題というか素材の選定が抜群だ。
また、読者が、こうなったら困るなあという心配をしたり、こうなって欲しいと期待したり、この二人は仲良くなるだろうという予想したりするのが、そのとおりになる。いわばエンターテインメントとしての面白さが満開だ。
お二人の小説が次から次へと映画化されるのもそういうところからだろう。
エンターテインメントと言えば、池井戸潤さんのものもあるが、「倍返し」というような復讐ものはちょっと。
S君は、昼食のとき、有川さんの『シアタ−!』がいいと薦めてくれた。(思い出したが、そこから有川さんの話題になったのだ)
さっそくアマゾンで注文したのが届いた。